2010年6月19日土曜日

●桜桃忌

桜桃忌

他郷にてのびし髭剃る桜桃忌   寺山修司

傘のしずくで線ひく遊び桜桃忌  寺井谷子

水中にくもる白日桜桃忌  鷲谷七菜子

桜桃忌蝙蝠 傘を持ち歩く  柿本多映

ただ今でございましたと桜桃忌  如月真菜

過去記事

3 件のコメント:

猫髭 さんのコメント...

桜桃忌みな泣きながら生まれ来る 暖流

これはインターネットしりとり俳句掲示板「影庵」に6年前に投句された一句で、公に見える句ではないが、わたくしが目にした「桜桃忌」の句では、最も太宰の小説の核心を突いた俳句として記憶にあるものなので、ここに挙げたい。

tenki さんのコメント...

忌日なのに、みんな生まれてきちゃうのですね。


寒き世に泪そなへて生れ来し 正木浩一

猫髭 さんのコメント...

うん、太宰は泣きながら死んでいったから、桜桃忌でないとこのパラドクスは生きない。