ラベル NakaharaReiko の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル NakaharaReiko の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2026年6月26日金曜日

●金曜日の川柳〔広瀬ちえみ〕なかはられいこ



なかはられいこ






晴れた日のこっばみじんの黄色です  広瀬ちえみ

洗濯物を干していた。洗濯バサミをつまんだとたん、ばちーんとはじけた。経年劣化した洗濯バサミはもろい。

あー、こっぱみじんやなあと思った。

こっぱみじんになったのは、あくまでも「黄色」であって、それはモノではなくて、黄色的な感情や情動なのかもしれない。

それでも思う。洗濯バサミみたいに終われたら、いっそ清々しいのにと。なんにせよ、「こっぱみじん」とは、あっぱれである。あっぱれは天晴れと書く。

青空と粉々の黄色いかけらのなんとあざやかなことか。

『現代川柳の精鋭たち』 2000年(北宋社)

●

2026年2月6日金曜日

●金曜日の川柳〔畑美樹〕なかはられいこ



なかはられいこ


※樋口由紀子さんオヤスミにつき代打。



くださいください顔上げて言う魚市場  畑美樹

鯖を買いに来たのだ。いや、秋刀魚でもいいけど。お店の人に「ください」と言う。だけどここは市場だ。声は周囲の喧騒にまぎれてしまう。今度は少し大きな声で「ください」と言う。お店の人はまだ気づいてくれない。うう、っと、勇気をだしてうつむきがちの顔をあげる。そして「くださいください」と連呼するのだ。

(ひたむき)とか(一途)いう概念が具現化された、うつくしくもいとおしい一句。

『現代川柳の精鋭たち』(2000年/北宋社)より。

●