2009年1月10日土曜日
●おんつぼ12 アナーキー 山田露結
おんつぼ12
アナーキー ANARCHY
山田露結
1980年代、日本全国の不良たちを絶叫させたロックバンド「アナーキー」。
バンド名からしてパンクの影響を受けていることは間違いないのだが、そのスタイルは決して洗練されたものではなく、どこか田舎のチンピラ的雰囲気(メンバー全員が埼玉県浦和市<現さいたま市>出身だと記憶している)があった。デビュー時にはなぜか国鉄の制服がバンドのユニフォームだった。
当時、不良のロックンロールとして一世を風靡していた「横浜銀蠅」が営業的な胡散臭さを漂わせ、ものわかりのいい不良たちの兄貴分というイメージだったのに対して彼らは何をやらかすかわからないたちの悪さを纏ったホンモノの不良という感じだった。
「ノット・サティスファイド」、「東京イズバーニング」、「叫んでやるぜ」などメッセージ性の強い歌詞とストレートなロックンロールは今聴いても痛快である。彼らの曲を久しぶりに聴きながら、そういえばこういうメッセージっぽい曲って今はもう誰も歌わなくなってしまったなあと思った。
ちなみに、私事で恐縮だが筆者が学生だったころ「新宿猩猩蠅」という「横浜銀蠅」のしょーもないパロディーバンドで「新宿ロフト」というライブハウスに出演したとき、たまたま客席で見ていたらしいアナーキーのギターリスト藤沼伸一にステージ後の楽屋で「オマエ、つっぱってんのかよぉ~。」と軽くどつかれたことがある。そのときは脚が震えるほど怖かったが、今となっては「アナーキーのギターリストにどつかれた」という輝かしい青春の思い出となっている。
不良度 ★★★★★
パンク度 ★★★
〔おすすめアルバム〕 アナーキー
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