2009年7月3日金曜日

〔俳誌拝読〕ににん第35号 

〔俳誌拝読〕
ににん 
第35号/2009年夏号(2009年7月1日発行)64頁



岩淵喜代子氏が代表を務める「ににん」の季刊誌。

座談会「石鼎を語る」前編が読み応え充分。出席は、齋藤愼爾、酒井佐忠、清水哲男、正津勉、土岐光一、岩淵喜代子(司会)の6氏。原石鼎(1889~1951)と虚子の関係、松沢病院への入院等を柱に、史実、資料面の要点を岩淵氏、土岐氏がよく押さえ、ありがちな感想・見解の応酬に終わっていない。一部引くと…
齋藤 虚子の犠牲になった人びとはたくさんいるよ。
岩淵 実際に虚子からホトトギスをやめろと言われましたね。それがいつまでも尾をひいているように書かれています。小島信夫(*註)も書き方はそれに準じていると思いますが。
清水 社会人として考えると、言われてもしょうがないですよ。
その後、話題は「秋風や模様のちがふ皿ふたつ」の前書き(「父母のあたたかきふところにさへ入ることをせぬ放浪の子は、伯州米子に去つて仮の宿りをなす」:筆者補)へ、この句の背景にある「意外な事実」(?)へ。なかなか興味深いものがあります。後編が楽しみ。

(*註)小島信夫『原石鼎 二百二十年めの風雅』河出書房新社・1990年


なお「ににん」のホームページは≫こちら 当号入手の可否は不明

(さいばら天気)

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