〔今週号の表紙〕
第317号 ジャカランダの樹
句童ぐみ
最初、遠くの景色の中にこの花盛りを見た時、薄紫の雲が降りて来て樹を覆っているかのようでした。
中南米原産の樹とか。道理で厳寒になるニューヨーク周辺では、見た事がなく、ロサンゼルスへ移って来て初めて目にしました。五月になると咲き始め、母の日の前後に満開となります。この辺りの種類は、葉の出る前に咲くので、薄紫の花がびっしりと枝を埋め尽くします。
上の写真は、ロサンゼルスのトーランス市で撮ったものです。近くに、「ミツワ」と言う日本食料品専門の大きなスーパーマーケットがあり、夏祭などが行われます。金魚すくい、ヨーヨーつりなど、屋台の食べ物とか本格的縁日気分で、小振りですが御神輿も登場、神輿かつぎ同好会も結成されています。どこにこんなに居るのかと驚くほどの日本人の数が集まります。
昔、渡米した日本からの移民達は、ジャカランダの花が桐の花に似ているところから、桐もどきと呼んで、遠い祖国に思いを馳せたとか。当時とくらべ、このグローバル化を、じゃからんだの樹は、静かに見守っているようです。
■くどう・ぐみ
1933年、東京生れ。東京育ち。広告デザインを学ぶべく渡米。LAのトーランス市在住。在米46年。日本の宝である俳句を勉強中。無所。
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