朝のひととき 中嶋憲武
朝食を食べ終えてテレビを観ていたら、ランちゃん(三毛猫)が膝に乗ってきた。
そこでぼくは、ランちゃんの手を取り、「ランちゃん、バンザーイ」と言いながらランちゃんの両手をまっすぐに、ぐっと天へ伸ばした。ランちゃんもそのまま伸びをして気持ち良さそうな感じ。
元に戻すと、ぼくの手にじゃれかかってきた。
そこでぼくは、ランちゃんの頬に軽く往復ビンタをしようとしたら、ぼくの手に素早く前足を絡めてきた。ぼくは、「ランちゃーん」と言いながら、Brrrrrrrrrと唇を震わせながら、ランちゃんの顔へ、ぼくの顔を近づけていった。そんなことを2、3回繰り返していると、ランちゃんはぼくの鼻を齧った。(むかし、「忍者ハットリくん」の実写版テレビドラマで「花岡実太先生(はなおか じった せんせい)」という役を谷村昌彦がやっていた。ぜんぜん関係ないすけど。ちょっと思い出したもんで)
するとどうでしょう。ぼくの鼻から血が。そこでぼくはランちゃんに、ランちゃん、痛い痛いでしょう、ここ、とぼくの鼻を指差しながら言ったのだけど、ランちゃんはぴょんとぼくの膝から飛び降りて、階下へ降りて行ってしまった。
ランちゃんが、時代に牙をむいた。
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2010年10月11日月曜日
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