【俳誌拝読】
『なんぢや』第16号(2012年春)を読む
西原天気
発行人・榎本享。本文24頁。
巻頭に〈招待席〉を置き、本号では仲寒蟬「河童フォーエヴァー」5句。
原発遺憾と年頭の辞を河童より 仲寒蟬
青き踏む人類滅亡後の河童 同
句作品に添えられた短文に「俳句にメッセージ性は不要との考え方もありますが私は敢えて成功率の低いその道を行きたいと思っています」とあります。
以下、同時諸氏の各10句より。
おはやうと言はれて言うて寒きこと 榎本享
小春日や紙飛行機によきチラシ 高畑桂
誰かれに子猫の鳴きて炭おこす 中村瑞枝
数へ日の木に動かないものがをり えのもとゆみ
枯蔓の先をどらせて比良の水 林和輝
じつとしてこちら見てをる嫁が君 井関雅吉
餅百個食べるつもりか御つ母さん 土岐光一
春節の街の夕ぐれ茶葉ひらく 鈴木不意
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2012年2月29日水曜日
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