鏡
人も見ぬ春や鏡の裏の梅 松尾芭蕉
水仙や古鏡のごとく花をかかぐ 松本たかし
朝寝して鏡中落花ひかり過ぐ 水原秋桜子
金魚飢う部屋のどこにも鏡なし 矢口 晃〔*〕
黒揚羽ゆき過ぎしかば鏡騷 八田木枯
炎天や鏡の如く土に影 中村草田男
熱気球来る鏡の中の手鏡に 須藤 徹
愛しきを抱けば鏡裏に蛍かな 攝津幸彦
手鏡を回せば雪の吹きこぼる 中原道夫
さびしくて鏡の中の鬼と逢う 大西泰世
〔*〕『俳コレ』(2011年12月・邑書林)より
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不定期・正午更新●『週刊俳句』の裏モノ●another side of HAIKU WEEKLY
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