見えない
初蝶を見し目つぶつて神見えず 田川飛旅子
連翹の黄のはじきゐるもの見えず 後藤夜半
金魚死なせし透明の金魚鉢 津田清子
やがて死ぬけしきは見えず蝉の声 松尾芭蕉
透明な沖の残光青バナナ 河合凱夫
遭難死だが透明な彼は机に 五島高資
流木のついに見えない下の手よ 折笠美秋
蒲の穂の濡るゝも雨は眼に見えず 森田 峠
父の亡き大寒やただ透明に 相馬遷子
顔はまだ見えず真白の服の人来る 篠原梵
不定期・正午更新●『週刊俳句』の裏モノ●another side of HAIKU WEEKLY
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