蜘蛛
蜘蛛の囲に蜂大穴をあけて遁ぐ 右城暮石
ぱつと火になりたる蜘蛛や草を焼く 高浜虚子
夕雲をつかみ歩きて蜘蛛定まる 西東三鬼
蜘蛛の糸一筋よぎる百合の前 高野素十
蜘蛛夜々に肥えゆき月にまたがりぬ 加藤楸邨
蜘蛛の囲のかかればすぐに風の吹く 石田郷子
父疾うに喰はれて蜘蛛の赤ん坊 佐山哲郎
蜘蛛の巣の壊れてしまふほど音痴 山下つばさ〔*〕
〔*〕『俳コレ』(2011年12月・邑書林)より
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2012年5月9日水曜日
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