西原天気
※相子智恵さんオヤスミにつき代打。
※相子智恵さんオヤスミにつき代打。
流星群来よ大根を煮ておくから 大畑等
この12月13日の夜から14日夜明けにかけて、ふたご座流星群が出現のピークだたそう。流星の光の尾が夜空のひとすみにすっと現れてすっと消える。流星を見るときはだいたいそのように一瞬だし、光量もかすかなものだが、この句のように《来よ》と言われると、《流星》が文字どおり《群》なして大挙地球に押し寄せてくるかのようにも思えてくる。実際にそんなことあ起きれば映画『ドント・ルック・アップ』どころではない大災害、地球の最期なのだろうけれど、この句ではあくまでロマンチック。ただし、《大根を煮ておく》というからには、ロマチックばかりではない。なんだかおおらかで、市井の可笑しみも漂う。
流星群のニュースを見るたび大根を思い出し、大根を食べるたびに流星群を思う。この句を知って以来、そういう冬を重ねるようになった。
大畑等(1950-2016)。掲句は句集『ねじ式』(2009年2月)より。
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