2026年9月25日金曜日

●金曜日の川柳〔宮川絢市〕八上桐子



八上桐子





秋 子の胸に澄む貝のボタンも  宮川絢市

澄みわたる秋の空気のなかで、子の胸の小さな貝ボタンを見つめている。その奥にある子の心までは、もう触れることができない。その距離を静かに受け止めているように感じられるのが、秋のあとの空白。子との間をひんやりした秋風が流れ、やわらかな秋の光も差し込んでいる。

この句、縦書きで読んでいただけないのがとても残念。立ち姿が寂し気でいいのだ。

アンソロジーの扉には、おそらく子の年齢に近いだろう作者の句が置かれていた。
生きてゆくことに
疲れた
水の味
   はじめて創った句(17歳)

アンソロジー『句集 杜』(川柳杜人社 1979年)

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