2008年11月19日水曜日

●おんつぼ02 ラウンジ・リザーズ さいばら天気


おんつぼ02
ラウンジ・リザーズ The Lounge Lizards


さいばら天気

おんつぼ=音楽のツボ





パーティ会場の壁にへばりついて女性を物色するジゴロ。それを「ラウンジの蜥蜴 lounge lizard」と呼ぶそうです、たしか。

ラウンジ・リザーズのリーダーでサックス奏者のジョン・ルーリーは、ジム・ジャームッシュ監督の出世作「ストレンジャー・ザン・パラダイス」(1984年)に主演していましたから、「この長い顔の男、見たことがある」と思い出す人も多いでしょう。

このバンドでもうひとり注目したいのは、アート・リンゼイというギタリスト。音程とかチューニングなど無縁の、精神を病んだような音を出します。なつかしい話をすれば、1970年代後半ニューヨークのポストパンクシーン、DNAというバンドでキリキリギコギコ鳴らしていました。この頃は、なんか、いろいろなところでムチャをやる人がたくさんいて、おもしろかったんですよね。

ラウンジ・リザーズ(レコードデビュー1981年)もまたポストパンクの脈絡にあるバンドと言っていいと思います。「フェイク・ジャズ」という触れ込み。つまり偽ジャズ。

説明するのがむずかしい音ですが、リズムがところどころ亞脱臼している感じ。音色は無機質ですが、蜥蜴だけあって妙なヌメリがあります。たしかに「ニセモノ感」の充満した音なのですが、先入観として知っているジャズ的な音よりも、ときとしてクールで、同時に熱い。ちょっと不思議な音です。


イカサマ度 ★★★★★
ヌメヌメ度 ★★★★


〔アルバム〕 The Lounge Lizards; The Lounge Lizards

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