2008年7月19日土曜日

耳とコンテクスト

耳とコンテクスト ● さいばら天気



「タモリ倶楽部」という老舗TV番組に「空耳アワー」という人気コーナーがある。外国語の歌詞が「日本語」に聞こえる箇所を映像付きで紹介する。名作集は、こんな↓感じ。




 

ことばを聞くとき、私たちは、ひとつひとつの音を聞き分けているのではないらしい。

例えば、「きのう高円寺からの帰りにね」と他人が言うのを聞いたとき、ことばのすべてが聞き取れるし、意味もわかる。ところが、この文句をテープを録り、一音だけ取り出して、人に聞かせる。「高円寺」の「え」という音、あるいは「からの」の「ら」という音。それがどう聞こえるかを答えてもらうと、正答率はかなり低いという。

話者のロレツがとくだん悪いのでも、聞く人の耳が悪いのでもない。ふつうに交わされる会話での話。

一音一音が正確に伝わるわけではないのに、なぜ、文言がすべて聞き取れるのか、といえば、「コンテクスト(文脈)」が理解されているから、だそうだ。

 

TVの「空耳アワー」は、「絵」でコンテクストをつくりあげ、おまけに「字」による誘導がある。外国語の歌詞の意味がわからなければ、そう聞こえて当然。外国語に堪能な人だって、絵と字によって(なかば強制的に)与えられたコンテクストに沿って聞いてしまうかもしれない。

 

コンテクストって大事だな、という話。

言っているはずのこととは違って聞こえるケースは、ほかにもある。これ↓などは、かなり身近。

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