2010年9月8日水曜日

●おんつぼ34 笠置シヅ子 さいばら天気


おんつぼ34
笠置シヅ子

さいばら天気


おんつ ぼ=音楽のツボ



日本歌謡史をひもとけば(なんちゃって)、ブルースと言っても、それは音楽形式の「blues」ではなく、暗鬱な歌程度の意味でして、ブルースの女王・淡谷のり子には、「blues」形式に近い曲を含めても1曲あるかないか。

ところが、ブギと言えば、それはもう正真正銘の「boogie」なのでした。これは服部良一の大きな功績。

笠置シヅ子「東京ブギウギ」は1947年、終戦まもない頃の大ヒット曲。この曲にしても、「買い物ブギ」にしても「ブギ」の付いた曲はだいたい、どこに持っていても「boogie」で通用する(「ジャングル・ブギ」はちょっとアヤシイ)。

では、聞いてみましょう。「買い物ブギ」です。笠置シヅ子自身の映像付きの動画もありますが、ここは、音に集中していただくため、ちびまるこちゃんのアニメ版で。

買物ブギ(歌:笠置シヅ子/作詞:村雨 まさを/作曲:服部 良一)


カッコいいです。メロディに和物の成分がかなり混じりますが、もう、文句なしにカッコいい。買い物に出かけた主婦という設定がまずファンキーだし、途中には魚屋と掛け合いになるという趣向もナイス。



で、ちょっと話は変わりますが、ポップス(特に日本)には、恋愛の歌が異常なまでに多い。病気か?というほど多い。9割以上でしょうか。これって、どうなのだろうという話です。

世の中の9割以上が恋愛? 世の中が恋愛だらけ? いったいどれだけ貧相な世界なのか!

しかし、実際に、そんな貧しい世界に私たちが住んでいるかというと、そうではありません。さまざまなものがあって、いろいろなことが起こる。まあまあ豊かな世界。

その点、笠置シヅ子は、ネタの幅が広い。恋愛ばかり歌っているわけじゃありません。なにしろ「ホームラン・ブギ」ですから。



そうこうするうちに、ブライアン・セッツァー・オーケストラの「ダーティ・ブギ」(1998年)というアルバムを聞いて、びっくりした。笠置シズ子/服部良一と、めちゃくちゃ近い感じだったからです。

Brian Setzer - The Dirty Boogie


おお、これは、これは。

ビッグバンド編曲のこの感じ、ブライアン・セッツァーが歌い出すまでのイントロは、笠置シズ子そのものです。

ブライアン・セッツァー・オーケストラの伴奏で、笠置シズ子に歌わせたかった。

ブライアン・セッツァーは1959年、米国ニューヨーク市生まれ。ストレイ・キャッツというロカビリー・バンドで人気を博したミュージシャン。個人的な話になるが、俳句結社「豆の木」にいらっしゃる久保庭さんを見るたびに、ブライアン・セッツァーを思い出します。

笠置シヅ子(1914-1985)とブライアン・セッツァーは生年に半世紀近い隔たりがあり、邂逅は不可能。笠置シヅ子はずいぶん前に亡くなってしまったし。

それでも共演を夢見てしまうのが、音楽のおもしろさだと思います。アルバム「ダーティ・ブギ」をCDプレーヤーで鳴らしながら、頭のなかでは笠置シヅ子が歌っている、という脳内セッションができるのは、音楽のおもしろさ、すばらしさ。

どちらの音も、私には、一生モノです。


戦後復興しまっせ度 ★★★★★
ソウルシスター度 ★★★★

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