『ににん』(vol.44 2011年秋号)を読む
西原天気
巻頭、清水哲男氏の短文「写真の目」(シリーズ・下連雀からの眺め 7)は、写真の裏切りについて。
偶然の介入による諸事情によって隠される物、逆に見えなかったものが露出されてしまうという事態。それらは撮影者の意図を簡単に裏切るばかりではなく、可視の世界を何度でも再構成するエネルギーに満ちていて興味は尽きない。そして、そうした「カメラの目」に言えることは、むしろ「俳句の目」にこそ言えると結ばれる。
写真にこちらの意図と違うものが映ってしまう楽しさを、私もたびたび味わっているので、とてもよくわかる一文でした。俳句も、意図の外で言葉が結ばれるようになればいいのですが、こちらはなかなか難しい。
以下、同人諸氏の新作から気ままに。
姫ごとも此の面さげて睦月かな 伊丹竹野子
ペンキ屋の二階娼窟守宮鳴く 武井伸子
かなぶんの花に潜りて花落つる 服部さやか
稲妻の静かに走る静かな夜 新木孝介
八月の柱一つを拠り所 岩淵喜代子
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2 件のコメント:
西原天気様
44号早々と読んでくださいまして
ありがとうございます。
こちらこそありがとうございます。
記事にするのは久しぶりですが、
いつも楽しく読ませていただいています。
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