星野立子というキャラ
さいばら天気
星野立子句集『月を仰ぐ』(西村和子編・ふらんす堂1997)から。
目の前に大きく降るよ春の雪 立子(以下同)
鞦韆に腰かけて読む手紙かな
鉛筆で髪かき上げぬ初桜
いつの間にがらりと涼しチョコレート
たはむれにハンカチ振つて別れけり
香水の正札瓶を透きとほり
桃食うて煙草を喫うて一人旅
わが前に落ち来る如く星流れ
楽屋口水の江滝子ジャケツ着て
一月十二日とペンで卵にかく
こう並べると、作者が、少女漫画あるいは少女小説の主人公ように思えてくる。
星野立子(1903-84)は、俳句を始める前に結婚しているので、その俳句に「少女」を冠するのは無理がある。27歳で長女を産み、吾子俳句も多い。それでも、この10句からは少女漫画、少女小説の主人公のような「作者像」が立ち上がる。
もし挿画を付けるなら、高野文子がいいと思いますが、いかがでしょう?
こんな感じ。
2009年3月5日木曜日
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