おんつぼ40
Stan Getz; Focus
西原天気
おんつぼ=音楽のツボ
ジャズの人がストリングス付きでアルバムを録音する、あるいはクラシックの交響楽団と共演するという企画のアルバム、ハズレも多いようですが、アタリ(と私が思う)で有名なのは、チャーリー・パーカーの「with strings」。あと、ビル・エヴァンス・トリオの「with symphony orchestra」は、好悪が分かれるでしょうが、私、けっこう好きです。
で、スタン・ゲッツ(1927 - 1991)の「フォーカス」。スタン・ゲッツといえばボサノヴァなわけですが、このアルバムについては、そのイメージははずしたほうがよいです。
アレンジのエディー・ソーター(1914 – 1981) は、スイングジャズ時代からキャリアを積んだアレンジャー。でも、この「フォーカス」、あまりジャズっぽくはありません。いい意味でイージーリスニング的な肌合い。
1961年秋録音で、発売は1962年。日本では植木等「無責任一代男」「ハイそれまでョ」や橋幸夫と吉永小百合の「いつでも夢を」がヒットした年ですね。このギャップ!
ま、それはともかくとして、「なつかしモダン」な香りと知的な挙措を備えたのこの「Focus」、夏の終わりから秋にかけてのひとり居にぴったりと思いますです。
それにしても、ウィキのスタン・ゲッツの項の貧弱なこと貧弱なこと。草葉の陰で泣いてるぞ。
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