2012年1月26日木曜日

【新刊紹介】『俳句のための文語文法入門』

【新刊紹介】
『俳句のための文語文法入門』(佐藤郁良著)

『俳句』誌連載を1冊にまとめたもの。通して読めるのはありがたく、俳句の文語文法というもの、一度はきちんとおさらいしておいて損はない(と私などは思う)。

文法のおさらいは、俳句を作る際よりもむしろ読む際に役立つとも思える。例えば、本書にある《一本のマッチをすれば湖は霧》(富沢赤黄男)の「すれば」。これを口語文法で解すると仮定条件になる。現代人の私たちは、そう読んじゃいますよね。ところが、文語文法だと、「する」の已然形+接続助詞「ば」で、確定条件を示す。すなわち、「一本のマッチをすったところ」といった句意。

これだけでも、タメになったと、浅学な私などは思うわけです。

0 件のコメント: