2012年1月29日日曜日

【俳誌拝読】『舞』no.21を読む


【俳誌拝読】
『舞』no.21(2012年1月号)を読む

西原天気


発行人・山西雅子。本文36頁。編集後記ほかによれば、結社の外に送るのはこの号がはじめて。これまで結社内部だけで読まれていたという。

山西雅子主宰の9句、同人会員諸氏の8句から3句組み(投句は8句)。散文は山西氏の連載「『明野』時代の岡井省二、秋津寺彦氏「レポート おくののそ道」ほか。スタンダードでコンパクトな結社誌といった佇まい。

以下、何句か。

林中に冬の紅葉や葉の小さ  山西雅子

秒針の音を残して山眠る  中沢城子

両岸は揃つて曲り曼珠沙華  榊原紘子

足音に夜のコスモスの震へをり  川瀬朋子

ミルクめく草の匂ひや雲の秋  陰山 惠

きらきらとしづまぬあをさ冬の海  小川楓子

日とあそぶふくら雀や目の細し  秋津寺彦

秋日染む夜具の香りを纏ひけり  佐々木京子

川の面をすべる一片紅葉せり  吉岡芳香

猟犬の降りだしさうな空見上げ  北原勝彦

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