牛乳、パン、トマト、コンビーフ ● 中嶋憲武
帰ってきて、すぐに寝てしまってふたたび起きて、眠れない。温かい牛乳を飲んでも眠れないったら眠れない。
昨夜、ジュンク堂へふらりと入って、昭和モダニズムのデザインをチェック。それで何気なく他の棚も見ていたら、たちまち目に留まったこの一冊。
講談社 小説現代特別編集 不良読本 March 2008 vol.1 ¥1200
萩原健一がポケットに手を突っ込んで立っている表紙写真。矢作俊彦の「傷だらけの天使リターンズ 魔都に天使のハンマーを」という冒頭の小説に惹かれ、即買い。上下二段組でほぼ300ページのこの小説、まだ100ページほど読んでいるところだけど、なかなか読ませますね。
主人公木暮修は50を越し、公園でホームレス暮しをしていて、賭けゲートボールなどして糊口をしのいでいる。或る日、仲間のホームレスが殺されたという情報が入る。それは、修と間違われて身代わりに殺されたのだった。海津刑事の部下だった藤山田刑事が、修の身辺を洗い始める。30数年前の乾享の夢の島での死体遺棄事件なども絡んできて、木暮修はふたたび新宿へ現れるというような展開ですが、「傷だらけの天使」関係者には、ニヤニヤとさせる台詞や描写などふんだんに出て来て、楽しんでます。
冒頭の段ボールハウス内での朝食が、牛乳、パン、トマト、缶詰のコンビーフ(どれも腐っていたり、黴が生えていたりして、ろくなものじゃないのですが)というのも、あの有名なタイトルバックを彷彿とさせてくれます。
近頃、単行本も出たようです。
傷だらけの天使 魔都に天使のハンマーを
著者 : 矢作俊彦
発行年月日:2008/06/19 サイズ:四六変型 ページ数:398
ISBN:978-4-06-214394-3
定価(税込):1,785円 講談社
2008年7月2日水曜日
登録:
コメントの投稿 (Atom)
1 件のコメント:
懐かしいです。
あんなふうな屋上のペントハウスに、オトナになったら住みたい、と思いながら観てました。それから三十余年。結局、住めずじまいでしたが、今でも諦めていないところがあります。
あのビルとペントハウスについて、面白い記事を見つけました。
http://retour.seesaa.net/article/10266263.html
コメントを投稿