2009年6月25日木曜日

●俳句は遊侠街道だよ、ひばりの渡り鳥だよ 堀本吟

俳句は遊侠街道だよ、ひばりの渡り鳥だよ

堀本 吟


家の仕事が一段落すると、私の場合は買い物序でに散歩に出て雑誌をかって、近くのファミレスのドリンクバーで1時間。

もしくは、最近You-Tubeの演歌のところにはまってしまい、ぼーっときいている。これっていくらでも時間を食ってしまう。

ご贔屓は、美空ひばりの旅笠もの。そう言えば6月24日が二十回忌の命日だった。それもあって、昨日からたっぷりひばり漬けである。

いつだったか。週刊俳句で夏井いつきさんが「俳句は遊興だ」といっておられて、「いつきさん。ちゃうちゃう、遊興とちごて、俳句は遊侠ですよ」と、永年松山を離れているのでこちらのことばがでてきて、そのまえに、まあ歌を聴いてみようと検索したのが「遊侠街道」の病みつきである。いつきさん、演歌のこのノリ、わかるかな?

敷居三寸 男がまたぎゃ、
そこは白刃のくらやみ街道
喰ってやろうか 喰われてやろか
勝負 勝負勝負の 火花のこの世

唄の文句は一番だけは気が利いているが、後は類型的。でも、これが演歌の定型で、単純なパターンをうたいこんでゆく歌手の表現力でしょうぶがきまる。いつのまにかその歌手の世界にひきこまれている。やっぱりこれはひばりでなきゃあ。とおもわせる。(「関東春雨笠」も沢山の歌手が歌ってはいるが、やはりひばりの歌いっぷりがいちばん、胸がすっとする)。

「ひばりの渡り鳥だよ」

これは明るくて、たのしい。

じれったいほどに
あの娘のことが
泣けてきやんす
チョイと 三度笠

けっして美人とはおもわないが(私程度!)、うたっている表情はとてもいい。つぎの歌詞のところが、リズムののりがいいのと、踊りの手つきがとてもきれい。

「雪の佐渡から 青葉の江戸へ」

ここの声が望郷をこめてとても澄んでいるのである。

雪の佐渡から 
青葉の江戸へ
恋を振り分け
チョイと 旅合羽
意地とケンカにゃ負けないが
あの娘が俺のなきどころ
ほんに なんとしょう
渡り鳥だよ

物語の定型としては、これで充分である。聴いていると、こころにカラオケのスクリーンもが浮かんできて、頭がほぐれる。




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