浅沼璞
梅ひとり後に寒き榾火かな 大淀三千風
『荵摺』(元禄二年・1689)
俳諧の発句だから、季重ねは気にしないけれど、「後(うしろ)に寒き」の写実は俳句っぽい。
俳諧の発句だから、季重ねは気にしないけれど、「後(うしろ)に寒き」の写実は俳句っぽい。
これを反転させると、
とつぷりと後暮れゐし焚火かな 松本たかし
となる。
時代を越えた響き合い、などと言えば月並みだが、背後のリアリティの交響はたしかなものだ。
年代から推しても談林というより談林後の元禄正風体。それを承知で取り上げたけれど、「背後」と「談林後」のアナロジーもうかぶ。
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三千風という号は、西鶴バックアップのもとになされた矢数俳諧2800句独吟による。仙台居住、諸国行脚、鴫立庵再興と流転の俳諧師であったが、ルーツは談林にほかならなかった。
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年代から推しても談林というより談林後の元禄正風体。それを承知で取り上げたけれど、「背後」と「談林後」のアナロジーもうかぶ。
三千風という号は、西鶴バックアップのもとになされた矢数俳諧2800句独吟による。仙台居住、諸国行脚、鴫立庵再興と流転の俳諧師であったが、ルーツは談林にほかならなかった。
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